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狙う方向は決めたけど、いつ入る?Price Actionで考えるエントリータイミング!

目次

下がりそう。でも、いつSELLを押す?

ダブルトップができた。

ネックラインを下抜け、その後、価格がもう一度ネックライン付近まで戻ってきた。

チャートを見る限りでは、ここから再び下方向へ動きそうにも見えます。

「戻り売りを狙うなら、このあたりかもしれない」

狙いたい場所と方向は、ある程度見えてきました。

でも、実際にはどのタイミングでSELLを押せばいいのでしょうか?

ネックラインへ戻ってきた瞬間でしょうか。

少し下がり始めたところでしょうか。

それとも、何か別の反応を確認してからでしょうか。

サポート・レジスタンスやチャートパターンを知っていても、実際にトレードしようとすると、この「最後の一手」で迷うことがあります。

重要そうな価格帯は見つけられた。

狙いたい方向も決まっている。

それでも、

「ここで入っていい」と判断する材料が、まだ一つ足りない。

そこで次に見たいのが、エントリー直前にローソク足がどんな反応を見せているかです。

狙う場所が決まっても、エントリーする瞬間まで決まるとは限りません。

次は、その最後の判断材料として見るPrice Action(プライスアクション)を整理していきます。

エントリー直前に、ローソク足から何を見る?

Price Actionを見るとき、最初に意識したいのはローソク足の形そのものではありません。

たとえば、長いヒゲを持つローソク足が出ていたとします。

その形だけを見れば、

「反転しそう」

と感じるかもしれません。

しかし、そのローソク足がチャート上の特に意識していなかった場所で出たのか、それとも、あらかじめ見ていた重要な価格帯付近で出たのかでは、読み取れる情報が変わってきます。

ローソク足の形だけでは判断しない

何も意識していなかった場所で長いヒゲのローソク足ができた場合でも、

その時間足の中で一方向の価格をつけたものの、終値ではそこから押し戻された

という動きはローソク足から確認できます。

ただ、それだけでは、

「何に対して押し戻されたのか?」

までは分かりません。

一方、あらかじめ見ていたサポート・レジスタンス、ネックライン、直近の高値・安値などの価格帯付近で同じ形が現れた場合はどうでしょうか。

「この価格帯まで来たところで、押し戻された」

という背景が加わります。

つまり、Price Actionを見るときは、

どんな形が出たか

だけではなく、

どこで、その形が出たか

を一緒に見ることで、何に対する反応なのかを考えやすくなります。

Price Actionは、ローソク足の形だけでなく「どこで起きた反応なのか」と組み合わせて見ます。

もちろん、重要な価格帯付近で特定の形が出たからといって、その後の方向が決まるわけではありません。

ここで見たいのは、

その価格帯まで来たあと、実際に価格がどのような反応を見せたのか。

そこから、エントリーを検討する材料が増えたかどうかです。

今回見るのは3つだけ

ローソク足には、名前の付いたさまざまな形があります。

しかし、この記事ですべてを覚える必要はありません。

今回は、実際のチャートで認識しやすく、重要な価格帯付近での反応からエントリー直前の判断へつなげやすいものとして、次の3つに絞ります。

  1. Pin Bar(ピンバー)――長いヒゲが特徴的な形
  2. Engulfing / Outside Bar(包み足)――前のローソク足を実体、または高値・安値まで包み込む形
  3. Inside Bar(はらみ足)――前の値幅の内側へ収まり、その後の動きを待つ形

それぞれ見た目は違います。

そして大切なのは、形の違いだけではありません。そこに残っている値動きの痕跡も、それぞれ異なります。

このあと各Price Actionについて、

どんな形か
そのローソク足には、どんな値動きの痕跡が残っているのか
重要な価格帯付近で何を見るのか
そのあと、どこをエントリートリガーとして見るのか

という順番で確認していきます。

では、それぞれのローソク足には、どんな値動きの痕跡が残っているのでしょうか?

まずは、長いヒゲが特徴的なピンバーから見ていきます。

ピンバー――そのヒゲは、どこで出た?

ピンバーでまず目につくのは、ローソク足から大きく伸びたヒゲです。

ただし、

「長いヒゲが出た=反転する」

と考えるのは少し早いかもしれません。

ピンバーを見るときに重要なのは、ヒゲの長さだけではなく、

どの価格帯で、そのヒゲが残ったのか。

そして、そのあと価格がどちらへ動いたのかです。

ピンバーはどんな形?

ピンバーは、比較的小さな実体に対して、一方向へ目立つ長いヒゲを持つローソク足です。

大きく分ければ、

  • 上方向へ長いヒゲを持つ形
  • 下方向へ長いヒゲを持つ形

があります。

上ヒゲが長い場合、その時間足では高い価格をつけたものの、終値はそこから押し戻された位置にあります。

下ヒゲが長ければ、その逆です。

低い価格をつけたものの、終値ではそこから押し戻された位置にあります。

ここで見るのは、陽線ピンバーか陰線ピンバーかだけではありません。

どちら側へ大きく価格が動き、最終的にどこまで戻されて終わったのか。

まずは、その形を見ます。

なぜ長いヒゲが残る?

たとえば、上ヒゲの長いピンバーを考えてみます。

その時間足では、一度高値側まで価格が動いています。

しかし、そのまま高い位置で終わらず、終値までに大きく下方向へ押し戻されました。

その結果、

一度つけた高い価格と、最終的な終値との間が長い上ヒゲとして残ります。

下ヒゲなら、その逆です。

一度安値側まで価格が動いたあと、終値までに大きく上方向へ押し戻されたことで、下側に長いヒゲが残ります。

つまりピンバーには、

一方向へ大きく動いたものの、その価格帯に留まらず、反対方向へ戻して終えた

という値動きの痕跡があります。

ピンバーの長いヒゲは、一方向へ動いた価格が終値までに大きく戻された痕跡です。

ただし、ローソク足1本だけを見ても、

なぜ、そこで押し戻されたのか?

までは分かりません。

そこで重要になるのが、前の章で確認した「どこで出たか」です。

どこで出たかによって、何が変わる?

特に意識していなかった価格帯で、上ヒゲの長いピンバーが出たとします。

そこから確認できるのは、

高値側まで価格が動いたものの、終値では押し戻された

というところまでです。

一方、あらかじめ見ていたレジスタンス、ネックライン、直近高値などの価格帯付近で同じピンバーが現れた場合はどうでしょうか。

今度は、

「見ていた価格帯まで来たところで、押し戻された」

という背景が加わります。

たとえば戻り売りを考えていたなら、

重要な価格帯まで戻る

上ヒゲの長いピンバー

その価格帯付近で押し戻された形が残る

となります。

ピンバーだからSELLするのではありません。

あらかじめ見ていた場所で、売り方向を考える材料が一つ増えた。

そのように捉えます。

重要な価格帯付近でピンバーが出ても、その後の上昇・下落が保証されるわけではありません。

ピンバーが出たあと、どこを見る?

では、上ヒゲの長いピンバーを確認したら、その瞬間にSELLすればよいのでしょうか。

ここでも、考え方は一つではありません。

たとえば下方向を考えている場合、

ピンバーが確定した

その安値を価格が下抜くかを見る

という見方があります。

ピンバーで確認した押し戻しのあと、価格がさらに下方向へ進むのかを見るわけです。

反対に、下ヒゲの長いピンバーから上方向を考えるなら、ピンバー高値を上抜くかが一つの確認ポイントになります。

ただし、ここで紹介しているのは、

「高値を抜けば必ずBUY」「安値を割れば必ずSELL」

というルールではありません。

ピンバーという反応が出たあと、次に価格がどちら側へ進んだのかを見るためのポイントです。

実際にどの段階でエントリーするかについては、後ほどまとめて比較します。

そのピンバーを逆に抜いたら?

ピンバーを見るときは、思惑方向だけではなく、反対側の高値・安値も重要です。

たとえば、重要な価格帯付近で上ヒゲの長い陰線ピンバーができたとします。

SELLを考える立場から見れば、

「高値側まで進んだ価格が押し戻された」

ことが、エントリーを考える材料の一つになります。

では、そのあと価格が下がらず、逆にピンバーの高値を上抜いたらどうでしょうか。

上ヒゲの長い陰線ピンバー

下方向を想定

しかし下がらない

ピンバー高値を上抜く

SELLを考えていた側から見れば、その高値付近は、

「上値を押し戻した」という見方が崩れたかを確認する場所

になります。

そのため、ピンバーを根拠にSELLした場合はピンバー高値の外側、BUYした場合はピンバー安値の外側を、損切りラインの候補として考える方法があります。

一方、まだポジションを持っていない立場から見ると、別の見方もできます。

先ほどまで確認していた「上値を押し戻すPrice Action」が、ピンバー高値を上抜くことで否定された。

その動きを、

反対方向へのエントリーを考える材料の一つ

として見ることもできます。

つまり、

元のシナリオが崩れた場所と、反対方向を見るヒントが生まれる場所が重なることがある

ということです。

ただし、

元のシナリオが崩れたことと、反対方向へのエントリー条件がすべて揃ったことは同じではありません。

反対方向を見る場合も、その後の値動きと自分のエントリールールを合わせて考えることになります。

ピンバーの高値・安値は、エントリートリガーの候補だけでなく「元のシナリオが崩れたか」を確認する場所にもなります。

もちろん、

ピンバーを逆に抜いた=その方向へ必ず伸びる

という意味ではありません。

大切なのは、

押し戻されたように見えたPrice Actionが否定されたとき、その失敗自体も次の判断材料になります。

ということです。

ピンバーは、長いヒゲだけを探すためのローソク足ではありません。

どこで出たのか。どの価格帯で押し戻されたのか。そのあと、どちら側を抜いたのか。

そこまで追うことで、エントリー直前の判断材料として見やすくなります。

包み足――前のローソク足を包んだあと、どこを見る?

ピンバーでは、長いヒゲに「押し戻された痕跡」が残っていました。

一方、包み足では少し違います。

注目するのは、

前のローソク足に対して、次のローソク足が「実体」または「高値・安値」をどこまで包んでいるのか。

という点です。

実際のチャートでも見つけることのある形なので、まずは包み方の違いをイメージできるようにしておきます。

包み足(Engulfing)と包み足(Outside Bar)は何が違う?

今回扱う包み足には、2つの形があります。

包み足(Engulfing)は、

次のローソク足の実体が、前のローソク足の実体を包む形

です。

たとえば下方向への包み足(Engulfing)なら、前の陽線の実体を、次の陰線の実体が覆うような形になります。

一方、包み足(Outside Bar)は、

次のローソク足の高値が前の高値を上回り、安値も前の安値を下回る形

です。

こちらは実体だけではなく、前のローソク足の値幅そのものを外側から包みます。

つまり、

包み足(Engulfing)
実体を包む

包み足(Outside Bar)
高値・安値まで包む

という違いです。

見た目は似ていますが、同じ定義ではありません。

ただし今回の記事では、名前の違いを覚えることだけが目的ではありません。

その形に、どんな値動きの痕跡が残っているのか。

そこを見ていきます。

「包む」形には、どんな値動きが残っている?

まず、下方向への包み足(Engulfing)を考えてみます。

前のローソク足では、陽線の実体が残っていた。

次のローソク足では、始値と終値でつくられる陰線の実体が、前足の実体を外側から包む形になった。

その結果、

前のローソク足の実体を、反対方向の実体が包み込む形

が残ります。

つまり包み足(Engulfing)では、

前足の実体に対して、次の足が反対方向へ大きく動いた結果

を形として確認できます。

BUY側なら、その逆です。

前の陰線実体を、次の陽線実体が包む形になります。

一方、包み足(Outside Bar)では少し見方が変わります。

次のローソク足は、

前足の高値より高い価格
そして
前足の安値より低い価格

の両方をつけています。

つまり、

前のローソク足よりも広い値幅が形成された

ことが分かります。

そのうえで陰線として終わっていれば、

前足より広い値幅をつけながら、最終的には始値より低い位置で終えた

という形になります。

陽線なら、その逆です。

ここで重要なのは、

高値と安値のどちらを先につけたのかまでは、ローソク足1本だけでは分からない

という点です。

包み足では、前のローソク足に対して、次の足が「実体」または「高値・安値」をどこまで包んでいるかを見ます。

「売りが強い」「買いが強い」とまで断定するのではなく、

包み足(Engulfing)なら前足の実体を反対方向へ包んだこと、包み足(Outside Bar)なら前足を超える広い値幅が形成されたこと。

まずは、ローソク足に残っているその違いを確認します。

重要な価格帯付近で現れたら、何を見る?

ここでも、ピンバーと同じように「どこで出たか」を組み合わせます。

たとえば戻り売りを考えていて、価格があらかじめ見ていたレジスタンスやネックライン付近まで戻ってきたとします。

そこで、陰線として終えた包み足が現れたとします。

重要な価格帯まで戻る

陰線として終えた包み足(Engulfing)または包み足(Outside Bar)

前のローソク足に対して、下方向への反応が形として残る

この場合、

見ていた価格帯付近で、反対方向へのPrice Actionが現れた

という材料が加わります。

包み足が出たからSELLするのではありません。

売りを考えていた場所で、実際に下方向への反応が形として残った。

そこを見るわけです。

BUYを考えていた場合なら逆で、重要な価格帯付近で陽線として終えた包み足が現れたかを見ます。

包み足が重要な価格帯付近で現れても、その後の方向が保証されるわけではありません。

包み足が出たあと、どこを見る?

包み足(Engulfing)と包み足(Outside Bar)は形の定義こそ違いますが、そのあとに見るポイントはよく似ています。

たとえば下方向を考えている場合、

包み足が確定した

その足の安値をさらに下抜くかを見る

という見方があります。

上方向を考えているなら、

包み足が確定した

その足の高値をさらに上抜くかを見る

という形です。

つまり、包み足が完成した時点で終わりではありません。

包み足が残ったあと、価格がさらにその方向へ進むのか。

そこまで観察します。

包み足(Engulfing)と包み足(Outside Bar)は、包んでいる範囲こそ違います。

しかし、エントリー直前の判断では、

重要な価格帯付近で包み足を確認する
→ そのあと、包み足の高値・安値をどちらへ抜くかを見る

という流れは共通して考えることができます。

実際に包み足が確定した直後にエントリーするのか、高値・安値を抜くまで待つのかは、後ほどエントリータイミングの章で比較します。

包み足を見るときも、形の名前だけを探すのではありません。

何を包んでいるのか。どの価格帯で現れたのか。そのあと、どちら側へ進んだのか。

そこまで追うことで、エントリー直前の判断材料として使いやすくなります。

はらみ足――見つけたら、まだ待つ

ここまで見てきたピンバーや包み足では、重要な価格帯付近ですでに起きた反応をローソク足から確認してきました。

はらみ足は、少し性格が違います。

はらみ足を確認したときに注目するのは、

価格がどちらへ動いたかではなく、前のローソク足より値幅が小さくなったこと。

そして、そこから次にどちら側へ動き出すのかです。

はらみ足はどんな形?

はらみ足は、

現在のローソク足の高値と安値が、前のローソク足の高値と安値の内側に収まっている形

です。

外側にある前のローソク足は、一般にMother Bar(マザーバー)と呼ばれます。

形としては、

マザーバーの高値

はらみ足の高値

はらみ足の安値

マザーバーの安値

という関係になります。

つまり、はらみ足では、

前のローソク足の高値・安値の範囲内で、次のローソク足全体が形成された

ことが確認できます。

ピンバーのような長いヒゲや、包み足のように前のローソク足を覆う形とは、見た目からして異なります。

値幅が内側に収まると、何が分かる?

マザーバーでは、ある範囲まで価格が動いていました。

ところが次のローソク足では、その高値も安値も超えず、マザーバーの内側で値動きが収まりました。

つまり、

前の時間足よりも値幅が縮小した

ということです。

ここで確認できるのは、あくまで値動きの範囲が狭くなったことです。

「買いが強くなった」「売りが強くなった」とまでは、はらみ足だけでは判断できません。

はらみ足では、前のローソク足の値幅の内側へ収まり、値動きが縮小したことを確認します。

そのため、ピンバーや包み足とは見方が少し変わります。

ピンバーなら、

押し戻された形が残った

包み足なら、

前足の実体や値幅を包む形が残った

のに対して、はらみ足では、

まだどちら側へ動き出すのかが見えていない

状態として見ることになります。

重要な価格帯付近で、はらみ足ができたら?

ここでも、見る場所は重要です。

たとえば戻り売りを考えていて、価格がレジスタンスやネックライン付近まで戻ってきたとします。

そこで、はらみ足ができた。

重要な価格帯まで戻る

マザーバーが形成される

次のローソク足が、その高値・安値の内側へ収まる

この時点で確認できるのは、

見ていた価格帯付近で、値幅がいったん縮小した

というところまでです。

まだ、下方向への動きが始まったとは限りません。

同じようにBUYを考えていた場合でも、重要な価格帯付近ではらみ足ができただけでは、上方向への動きが始まったとは言えません。

つまり、はらみ足では、

見つけた → すぐエントリー

ではなく、

見つけた → その後の動きを観察する

という一段階を挟んで考えることができます。

はらみ足が重要な価格帯付近に現れても、それだけで次の方向が決まるわけではありません。

はらみ足を見つけたあと、もう一段待つ

ここが、今回の3つをエントリー直前の判断材料として見るときの大きな違いです。

はらみ足が完成した時点では、

マザーバーの値幅の内側で価格が収まっている

状態です。

そのため、今回のようにエントリー直前の判断材料として使うなら、はらみ足の形だけでBUY・SELLを決めるのではなく、その後の値動きまで観察するという考え方があります。

では、そのあと何を見るのでしょうか。

次に確認したいのが、

はらみ足の高値・安値に対して、価格がどちら側へ動き出すのか

です。

どちらへ抜けるかを見る

たとえば、戻り売りを考えていた重要な価格帯付近で、はらみ足ができたとします。

そのあと価格が下方向へ動き、はらみ足の安値を下抜いた。

そこで初めて、

値幅が縮小したあと、価格が下方向へ動き出した

という新しい情報が加わります。

BUYを考えている場合なら逆です。

はらみ足の高値を上抜けば、

値幅が縮小したあと、価格が上方向へ動き出した

という情報が加わります。

ただし、ここでも確認の取り方は一つではありません。

はらみ足の高値・安値を抜いた段階を見るのか、それとも外側にあるマザーバーの高値・安値まで確認するのかでは、待っている値動きの深さが変わります。

どこまで確認してからエントリーを考えるのか。

この違いについては、後ほどエントリータイミングの章で整理します。

反対に、SELLを考えていたにもかかわらず、価格がはらみ足の高値側へ動いていけばどうでしょうか。

その場合は、

自分が想定していた方向とは違う側へ動き始めた

という判断材料になります。

つまり、はらみ足では、

収縮を見つける

待つ

どちら側へ動き出したかを見る

という流れで考えることができます。

ただし、

高値を抜いたから必ずBUY
安値を抜いたから必ずSELL

という意味ではありません。

抜けたあとに再び値幅の内側へ戻ることもあります。

ここでも重要なのは、

はらみ足そのものを売買サインとして決めつけるのではなく、その後の値動きを確認するための基準として見る

という考え方です。

はらみ足は、形成されたことだけで判断せず「そのあと、どちら側へ動き出したか」まで見ます。

ピンバーや包み足では、すでに起きた反応から次の動きを見ていました。

はらみ足では、値幅が縮小した状態を見つけ、そこから動き出す方向を待ちます。

見つける。待つ。抜けた方向を見る。

この違いを押さえておくと、3つのPrice Actionを同じように扱わず、それぞれの特徴に合わせてエントリー直前の判断材料として見ることができます。

Price Actionを確認した。では、いつエントリーする?

ここまで、ピンバー・包み足・はらみ足を見てきました。

重要な価格帯付近でPrice Actionを確認できたとしても、まだ一つ決めることが残っています。

では、実際にはどの瞬間にエントリーするのか?

たとえば、戻り売りを考えていたネックライン付近で、上ヒゲの長い陰線ピンバーが確定したとします。

SELLを考える材料は増えました。

しかし、

ピンバーが確定したあと、次のローソク足から考えるのか。
ピンバーの安値を下抜くまで待つのか。
さらに、下抜いた状態でローソク足が確定するまで待つのか。

によって、実際にエントリーを検討するタイミングは変わってきます。

Price Actionが同じでも、エントリーする瞬間まで同じとは限りません。どこまで確認してから動くかも、エントリールールの一部です。

Price Action確定後、次の足から考える

一つ目は、Price Actionの形成を確認したあと、次のローソク足が始まった段階からエントリーを検討する考え方です。

先ほどのピンバーなら、

重要な価格帯まで戻る

上ヒゲの長い陰線ピンバーが確定

次のローソク足が始まった段階からSELLを検討する

という流れです。

包み足でも同じように、

重要な価格帯付近で陰線の包み足が確定

次のローソク足が始まった段階からSELLを検討する

と考えることができます。

この場合、確認しているのは、

狙っていた価格帯で、想定していた方向を考えるPrice Actionが実際に形成された

というところまでです。

その後の高値・安値を抜く動きまでは待っていません。

その分、次に紹介する方法より早い段階でエントリーを検討することになります。

ただし、Price Actionが確定しても、その次の足から思惑と反対方向へ動くことはあります。

形が完成したことと、その後の方向が決まったことは同じではありません。

ここは分けて考える必要があります。

思惑方向へさらに動くのを待つ

もう一段確認してからエントリーを考える方法もあります。

たとえば、上ヒゲの長いピンバーからSELLを考えているなら、

ピンバーが確定

その後の価格を観察

ピンバーの安値を下抜く

ところまで待つ考え方です。

包み足でも、

陰線の包み足が確定

包み足の安値を下抜く

ところを、その後の確認材料として見ることができます。

ここでは、

Price Actionが形成された

だけではなく、

そのあと価格が、考えていた方向へさらに進んだ

という情報が一つ増えています。

一方で、確認を待っている間に価格がすでに下方向へ進めば、Price Actionが確定した直後と比べて、エントリーを検討する価格も変わります。

つまり、

確認を増やすことと、同じ価格でエントリーできることは両立しない場合があります。

これはどちらが正しいという話ではありません。

何を確認してからエントリーするのかが違うということです。

高値・安値を抜いたあと、ローソク足の確定まで待つ

さらに確認する考え方もあります。

たとえば、ピンバーの安値を一時的に下抜いただけではエントリーせず、

ピンバーが確定

安値を下抜く

安値を下抜いた状態が、ローソク足の確定時点でも残っているかを見る

という見方です。

この場合は、

一度安値を下抜いた

という情報だけでなく、

ローソク足が確定するまで、安値を下抜いた状態が残った

ことまで確認しています。

ただし、その確認を待つ間に価格がさらに進めば、最初にPrice Actionを確認した位置からは離れていきます。

確認を待つほど判断材料は増える一方、その間に価格が思惑方向へ進めばエントリー価格も変わります。

反対に、一度安値を下抜いても、ローソク足が確定するまでに再び上へ戻ることもあります。

その場合は、

一度抜いたところまでを見るのか、それとも抜けた状態で確定するところまで見るのか。

によって判断が変わります。

はらみ足では「どこまで待つか」も変わる

はらみ足では、この違いがさらに分かりやすくなります。

たとえばSELLを考えている場合でも、

はらみ足の安値を下抜いた段階で考えるのか。

マザーバーの安値まで下抜くのを待つのか。

さらに、その下側でローソク足が確定するまで待つのか。

どこまで確認するかによって、エントリーを検討するタイミングは変わります。

BUYを考えている場合は、その逆です。

ここでも、

どこまで待てば正解か

が決まっているわけではありません。

どこまでの値動きを確認してから、自分はエントリーを検討するのか。

その違いです。

どれを選ぶかは「何を確認したいか」で変わる

ここまでの違いを整理すると、

Price Action確定後、次の足から考える
→ Price Actionそのものを確認

高値・安値を抜くまで待つ
→ その後、思惑方向へ動き始めたことまで確認

高値・安値を抜いたあと、ローソク足の確定まで待つ
→ 抜けた状態が確定時点でも残っているかまで確認

という違いがあります。

どれか一つが常に正しいわけではありません。

確認する情報が増える一方で、価格はその間にも動いています。

そのため、エントリータイミングを考えるときは、

どこまで確認できたら、自分はエントリーを検討するのか。

をあらかじめ決めておくことが重要になります。

確認を増やしても、その後の値動きが保証されるわけではありません。どのタイミングを選んでも、思惑と反対方向へ動く可能性は残ります。

Price Actionは、エントリーボタンを押す瞬間まで自動的に決めてくれるものではありません。

どこでPrice Actionを確認したのか。

そのあと、どこまで値動きを確認するのか。

そして、

どの段階でエントリーを検討するのか。

そこまで含めて、自分のエントリールールになります。

Price Actionは、未来を決めるサインではない

この記事の出発点は、

重要な価格帯まで来た。下がりそうにも見える。では、いつSELLを押せばいいのか?

という疑問でした。

サポート・レジスタンスやネックラインを見つけられても、それだけでエントリーする瞬間まで決まるとは限りません。

そこで、エントリー直前の判断材料として見てきたのがPrice Actionです。

今回扱ったのは、3つでした。

ピンバー
→ 一方向へ動いた価格が、終値までに大きく戻された痕跡を見る

包み足
→ 前のローソク足に対して、実体または高値・安値を包んだ形を見る

はらみ足
→ 前のローソク足より値幅が縮小し、そのあとどちら側へ動き出すのかを見る

形はそれぞれ違います。

ただし、どれを見る場合でも共通していることがあります。

それは、

ローソク足の形だけを見て、BUY・SELLを決めるわけではない

ということです。

まず、

どこでPrice Actionが現れたのか。

サポート・レジスタンス、ネックライン、直近の高値・安値など、あらかじめ見ていた価格帯付近だったのか。

次に、

そのローソク足には、どんな値動きの痕跡が残っているのか。

そして、

そのあと価格がどちら側へ動いたのか。

そこまで見て、エントリーを検討する材料が増えたかどうかを考えます。

さらに、Price Actionを確認したからといって、エントリーする瞬間が一つに決まるわけでもありません。

Price Actionが確定したあと、次の足から考える。
高値・安値を抜くまで待つ。
抜いた状態でローソク足が確定するまで待つ。

どこまで確認するかによって、得られる情報も、エントリーを検討する価格も変わります。

「この形が出たから入る」のではなく、「この場所で、この反応が起きた。だからエントリーを検討する」と考えます。

そして、忘れてはいけないことがあります。

ピンバーが出た。

包み足が出た。

はらみ足の高値・安値のどちらかを抜けた。

それでも、価格がすぐに思惑の方向へ動くとは限りません。

もちろん、その方向へ必ず動くわけでもありません。

一度思惑方向へ動いたあと、反対方向へ戻ることもあります。

反対に、想定していたPrice Actionが否定されたこと自体が、次の判断材料になる場合もあります。

Price Actionは、その後の値動きを保証するものではありません。確認材料が増えても、思惑と反対方向へ動く可能性は残ります。

Price Actionは、

「ここから上がる」
「ここから下がる」

という未来の答えではありません。

あくまで、

「いまエントリーする根拠が、一つ増えたか?」

を考えるためのヒントです。

重要な価格帯を見つける。

そこで何が起きたのかを見る。

Price Actionからエントリーするタイミングを考える。

そして実際にポジションを持つなら、次に必要になるのは、

その判断が外れたとき、どこで撤退し、どこまでの損失を受け入れるのか。

という考え方です。

エントリーの根拠が見つかったことと、そのトレードでどこまでリスクを取るかは別の話です。

Price Actionを「当てるためのサイン」ではなく、エントリー直前の判断を具体的にするための材料として見る。

そこが、今回の到達点です。

あとがき

Price Actionからエントリーするタイミングを考えるには、その前後にある値動きも切り離せません。

どこで反応したのか。
その価格帯を抜けたらどう見るのか。
抜けたあとに戻ってきたらどう考えるのか。
そして、実際にエントリーするなら、どこまでの損失を受け入れるのか。

まずはPrice Actionを見る「場所」です。

サポート・レジスタンスや直近の高値・安値など、なぜその価格帯を見ていたのか。

その考え方から整理したい場合は、Support / Resistanceへつながります。

重要な価格帯まで来たあと、価格がそこで押し戻されるとは限りません。

その価格帯を抜け、そのまま外側へ進んでいくこともあります。

価格帯を抜けたあとの値動きに焦点を移して整理するなら、Breakoutへつながります。

一方、高値・安値の外側まで価格が動いたあと、そのまま進まず、再び内側へ戻ってくる場面もあります。

高値・安値の外側で何が起き、その後どこへ戻ったのか。

という視点から値動きを見るなら、Liquidity Sweepへつながります。

そして、場所を決め、そこで起きた値動きを見て、Price Actionからエントリーするタイミングまで考えても、トレードの準備はまだ終わりません。

次に必要になるのは、

もし、この判断が外れたらどうするのか?

という考え方です。

どこでシナリオを見直すのか。

どこまでの損失を受け入れるのか。

そこからロット数をどう決めるのか。

「どこで入るか」の次は、「どこまでの損失を受け入れるか」。

Price Actionだけで、トレードの判断すべてが完成するわけではありません。

重要な価格帯を見る。
そこで何が起きたのかを見る。
エントリーするタイミングを考える。
そして、取るリスクを決める。

それぞれを別々の知識として覚えるのではなく、一つの流れとしてつなげていく。

そうすることで、自分が何を見て、なぜその判断をしたのかを整理できるようになります。

参考資料・出典

本記事では、Price Action(プライスアクション)、ピンバー、包み足(Engulfing / Outside Bar)、はらみ足(Inside Bar)、エントリータイミングの考え方などについて、主に以下の専門資料・学術資料を参考にしています。

主要資料

OANDA証券|プライスアクションとは|意味・見方・注意点を解説
Price Actionの基本的な考え方、ピンバー・インサイド・アウトサイドなどの代表的な形、Price Actionだけで将来の値動きが保証されるものではないことを確認。
https://www.oanda.jp/lab-education/technical_analysis/price_action/sign/
OANDA証券|ピンバーとは?スパイクハイやスパイクローなど基礎知識を解説
ピンバーの実体が比較的小さく、上下どちらかへ長いヒゲを持つ形状や、高値・安値から押し戻された値動きとしての見方を確認。
https://www.oanda.jp/lab-education/technical_analysis/price_action/pin_bar/
TradingView|Engulfing – Bearish
Engulfingでは、後のローソク足の実体が前のローソク足の実体を包むこと、Outside Barのように高値・安値を含む値幅全体まで包む必要はないことを確認。
https://www.tradingview.com/support/solutions/43000583769-engulfing-bearish/
OANDA証券|TradingViewの内蔵ストラテジー「OutSide Bar Strategy」のロジック概要や注意点を解説
Outside Barでは、現在のローソク足の高値・安値を含む全体の値幅が、前のローソク足の値幅を包む形として扱われていることを確認。
https://www.oanda.jp/lab-education/tradingviewstrategy/strategy/tradingview_outside_bar_strategy/
OANDA証券|TradingViewの内蔵ストラテジー「Inside Bar Strategy」のロジック概要や注意点を解説
Inside Bar(はらみ足)の高値・安値が前のローソク足の範囲内に収まる形であること、パターン自体に売買方向が含まれているわけではなく、その後の高値・安値のBreakをエントリー条件として見る考え方があることを確認。
https://www.oanda.jp/lab-education/tradingviewstrategy/strategy/tradingview_inside_bar_strategy/
TradingView|InSide Bar Strategy
Inside Bar形成後に高値・安値のBreakを待つ方法や、さらにローソク足の確定を待つ考え方など、エントリータイミングには複数の選択肢があることを確認。False Breakoutが起こり得る点についても参照。
https://www.tradingview.com/support/solutions/43000591665-inside-bar-strategy/

学術的な補足資料

Ismael Orquín-Serrano|Predictive Power of Adaptive Candlestick Patterns in Forex Market. Eurusd Case|Mathematics, 2020
EUR/USDを対象に、ローソク足パターンをエントリー条件とした戦略の予測力を統計的に検証した研究。検証された条件では一定の予測力を示すケースがある一方、取引コストを考慮した後には正の平均リターンが確認されなかったことを参照し、ローソク足パターンを将来の値動きを保証するサインとして扱わないための補足資料としています。なお、本研究は本記事で扱った個々のピンバー・包み足・はらみ足の有効性を直接検証したものではありません。
https://doi.org/10.3390/math8050802

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